羽衣

新月は暗闇
光はどこにもない
あるのは街の灯りだけ

光のない暗闇の中
歩きつづける僕は
一歩ずつ　何かを
落としているのだろうか

ふと　後ろを振り返る

すると一匹の真っ白い犬が
何かを咥えてこっちを見ていた

手を出すと
犬はそれを僕の掌に放した
そこにあったものは

鍵…

仄かに光るその鍵は
だんだんと光を増し
掌から夜空へと

そして
光り輝く月になった

あの真っ白い犬は
消えていた…

ガラス

心がハチキレそうなんだ

不安が真実になりそうで

誰にも話せずに

ただ一人　暗闇の中で

膝を抱え込んで

この不安と戦っている

真実になったとき

僕は…

信じる心を失うだろう…

Doubt

疑念
思い始めた心は
汽車のように
走り出したら止まらない

まさか…

違うよね

同じ時期に
連絡が途絶えた

なぜ…

もう　
走り出した汽車は止まらない
心が警笛を鳴らしている