優光に包まれて

月の光に包まれて　
一人　眠りにつく
優しいその光は
安らかな眠りに誘(いざな)う

どんな夢を見るのだろう

疲れた心を優しく包む光
ほんの一時　忘れさせてくれる
ずっと包まれていたい

どんな夢を見せてくれる

一月に数日訪れる
月と私との束の間の逢瀬

散花～罪～

「ありがとう　もう別れましょう」
辛そうなあなたを見て私は告げた

無理にあなたを引き止めた　辛い選択をさせた私
きっとダメになる…　わかっていたのに
だからこれは罰　私が犯した罪
あなたの幸せじゃなく自分の幸せのために
あなたを奪った　私の罪

あなたの心がなくても構わないと思った
傍にいてくれるだけで　それだけでいいと
最初の頃は奪えた優越感でいっぱいだった
だけど違った　日に日に募っていく不安　孤独


今でもあなたはあの人を想っている
あなたの心が欲しい　欲しくてたまらない
遠く感じるあなたの背中を見つめてる


「ごめんなさい」なんて言えるはずもない　
「あの人を迎えに行ってあげて」と身勝手な私
あなたは駆け出した　一度も振り返らずに

これが罰　無理矢理手に入れたものは脆く
一度も花を咲かせることもなく散ってゆく


あなたの心が欲しい　欲しくてたまらない
遠くなって行くあなたの背中を見つめて
自分の犯した罪に泣き崩れる


誰かを不幸にして手に入れた恋は
一度も花を咲かせること無く散ってゆく
散った花は二度と戻らない

都の星空

吐く息も白くなるほどの夜
見上げれば星が瞬いている
空気が澄み渡り冷え込んだ日は
都会の空でも見ることが出来る

久しぶりに見たような気がする
毎日何かに追われて
こんな風に星を眺めることを
しばらく忘れていた

ずっと眺めていると
吸い込まれそうになる

一人で見る星もいいけれど
君が淹れたコーヒーを飲みながら
眺めるのもいいかも知れない

きっとまた違う想いで
星を眺めることができるだろう


寝静まった都会の夜に
こうして星を眺めるのも悪くない