赤い糸

プロローグ それは二人の出会い
いくつもの困難を乗り越えて
今 結ばれる

花が舞踊る中を歩きだす
その一歩一歩をかみしめて

扉が開く
これから先
どんな困難に出会おうとも
二人なら大丈夫
二人なら乗り越えられる

だって 出会うべくして出会った二人なのだから
ずっと共に歩むために

力

人の心は　ときに恐い

力さえなければと

ときどき思う

…恐い…

でもきっと

失くして気付かずに

人を傷つけるよりは

恐くても

受けとめるしかないのだと

人の心を

鍵

夕暮れ時　オレンジ色が輝く
小高い丘のうえに一人たたずむ
花びらが一ひら舞い降りて
そっとにぎりしめる

掌を開くとそこには一つの鍵
その鍵を見つめまたにぎりしめる
オレンジ色の空を見つめる
遠き地にいるあの人を想う

この鍵を使う日まであと２年

…元気でいますか？…
あなたは今
どこの空の下にいますか

オレンジから深い夜の色に変わり始め
胸ににぎりしめた鍵が
光りを放ち闇を照らす
まるで道しるべのように…